2009年8月16日

「世界の10大オーケストラ」(中川右介著、幻冬舎新書)

近代史に翻弄されるオーケストラと指揮者たち。面白い読み物である。

コンサートで音楽を演奏する団体としてのオーケストラも、そこで演奏を統括する指揮者も、組織や職業として確立したのは19世紀である。西欧世界が国民国家に編成されていくのも19世紀。そして、20世紀の歴史は、国民国家を軸に大きく動くことになる。

本書で描かれる世界の10大オーケストラと指揮者たちは、第一次世界大戦、ロシア革命、ナチスの擡頭、第二次世界大戦、東西冷戦、社会主義体制の崩壊に遭遇する。指揮者たちもさることながら、オーケストラ自体がまるで生身の人間のように歴史の動きに翻弄される。

本書の記述はおもに1990年をもって終わる。

カラヤンの死とベルリンの壁崩壊、そして東欧の民主化とドイツ再統一にソ連崩壊をもって、十のオーケストラの大きな物語も終わった。(p.489)
歴史に翻弄される不幸が、また、オーケストラや指揮者の個性を生んでいたという。
個性がないのは、みんなが幸福になったからなのだ。個性あるオーケストラ、個性あるオーケストラ、個性ある指揮者が、戦争と革命の不幸な時代がもたらしたものだとしたら、それを生むためには、またも何千万もの人々が殺されなければならない。
《改行》現在のオーケストラに個性がなくても、別にいいではないか。昔のような個性を聴きたければ、過去の録音を聴けばいいのだ。そんな思いでこの本を書いてきたので、紹介したディスクは過去の演奏が中心になってしまった。(p.500)
著者には、「巨匠たちのラストコンサート」(文春新書)という好著もある。オーケストラが主人公の本書に対して、指揮者を主人公した姉妹書である。

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2003年7月 4日

サイレントギター

帰宅したらヤマハサイレントギター(ガット弦)が届いていた。買ったわけではない。渡辺香津美の「ギタールネッサンス」についていた応募ハガキを送付したら、当たってしまったのだ。定価6万2千円である。懸賞でこんな高額商品を当てたのは生まれて初めてだ。一生分の運を使い果たしてなければよいが。

なお、サイレントギターの音は良好である。糸巻きやネックなどギターとしての基本機能もしっかりしている。足りないのは演奏者の技量だけである。やれやれ。

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