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2008年4月10日
「カメラは時の氏神」(柳沢保正著、光人舎)
帯から引用。
日本のカメラの生き証人 新橋「ウツキカメラ」のオヤジが語った戦中、戦後
太平洋戦争中は新聞カメラマンとして活躍、敗戦後はガレキの中に店を立ち上げて、カメラ一筋に生きた男の昭和写真一代記!
太平洋戦争中の新聞社の大らかな様子。太平洋戦争後に店を始めてからのカメラが飛ぶように売れる様。どちらも興味が尽きない。
カメラは画像を残す装置である。その画像が伝えきれない時代の雰囲気を、カメラ屋のオヤジが生き証人として語る。いい企画だ。
証言の聞き手となり、古新聞や雑誌で事実を丹念に辿るのは柳沢保正。ほかの著作と同じように視線も語り口もやわらかい。ウツキオヤジをとらえたポートレートも秀逸である。
最終章では閉店までのいきさつが手短に語られる。専門店が扱う耐久消費財から量販店が売る大衆消費品に。銀塩からデジタルに。商品としてのカメラが大きく変わったところに、経済泡沫のはじけが追い打ちをかける。タイトルの「時の氏神」が最後に微笑まなかったというのが締めくくりのフレーズだ。幕切れの話は色恋沙汰でなくても切ない。
わたしの手元にもウツキカメラで購入したカメラがある。耐久消費財時代の銀塩カメラだ。手に取るときは、それが新品だった頃に思いをはせてみよう。
投稿者 kmatsu : 2008年4月10日 22:46
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