2008年4月13日
住宅建築家
中村好文という人は住宅を専門にする建築家。
「普段着の住宅術」(王国社)
「住宅読本」(新潮社)
「意中の建築(上・下)」(新潮社)
いずれも住宅を主題としたエッセイ。著者が心惹かれる建築と著者の作品が併せて紹介されている。いずれも住み心地がよさそうだ。そして、それを紹介する文章の読み心地も極上だ。
暖かく余裕のある語り口は、池内紀にも通じる。あわてずにゆったりと読むのにふさわしい。
投稿者 kmatsu : 21:17 | コメント (0) | トラックバック
2008年4月10日
「カメラは時の氏神」(柳沢保正著、光人舎)
帯から引用。
日本のカメラの生き証人 新橋「ウツキカメラ」のオヤジが語った戦中、戦後
太平洋戦争中は新聞カメラマンとして活躍、敗戦後はガレキの中に店を立ち上げて、カメラ一筋に生きた男の昭和写真一代記!
太平洋戦争中の新聞社の大らかな様子。太平洋戦争後に店を始めてからのカメラが飛ぶように売れる様。どちらも興味が尽きない。
カメラは画像を残す装置である。その画像が伝えきれない時代の雰囲気を、カメラ屋のオヤジが生き証人として語る。いい企画だ。
証言の聞き手となり、古新聞や雑誌で事実を丹念に辿るのは柳沢保正。ほかの著作と同じように視線も語り口もやわらかい。ウツキオヤジをとらえたポートレートも秀逸である。
最終章では閉店までのいきさつが手短に語られる。専門店が扱う耐久消費財から量販店が売る大衆消費品に。銀塩からデジタルに。商品としてのカメラが大きく変わったところに、経済泡沫のはじけが追い打ちをかける。タイトルの「時の氏神」が最後に微笑まなかったというのが締めくくりのフレーズだ。幕切れの話は色恋沙汰でなくても切ない。
わたしの手元にもウツキカメラで購入したカメラがある。耐久消費財時代の銀塩カメラだ。手に取るときは、それが新品だった頃に思いをはせてみよう。
投稿者 kmatsu : 22:46 | コメント (0) | トラックバック
2008年4月 2日
建設業界とソフトウェア業界
建設業界の姿は、受託開発ソフトウェア業界の未来像に見える。
談合消滅後の建設業界で何が起きているか
工事単価の"ダンピング"や発注者の権限強化で職人は青息吐息
(NBonline)
この記事を読んで同じことを考えた人は多いようだ。
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価格下落に苦しむだけでなく、建設業界とソフトウェア業界にはビジネスの成り立ちに類似点が多い。受託開発ソフトウェア業界の大手がITゼネコンと呼ばれるのもむべなるかな。
・労働集約型
・多重下請け構造
・付加価値が低い(ゆえに価格が下落する)
これにくわえて、会計の原価基準も建設工事と同じ工事進行基準に変更される。
もちろん、受託型ソフトウェア業界には建設業界と異なるところもある。
・完成品の姿が途中で見えない
・材料・機材が外国製品ばかりで、しかも寡占が進んでいる
そして、ソフトウェア業界には談合という受注調整メカニズムはない。たぶん。