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2007年10月21日

地球の静止する日

「地球の静止する日 (The Day the Earth Stood Still)」(1951年、アメリカ、ロバート・ワイズ監督)は、友好的な異星人来訪モノの先駆けとなったSF映画である。異星人が地球に平和と核兵器廃絶のメッセージを伝えるストーリーは、この時期に米ソ冷戦が本格化しつつあったことを背景にしている。

ディテールは突っ込みどころが満載だ。のっぺりした円盤形の宇宙船。同じくのっぺりしたロボット。この宇宙船とロボットは、1950年代SF映画のイコンである。たとえば、1970年代の音楽作品ではこのように引用されている。


着陸したのっぺり宇宙船を警戒する軍隊のすぐ後ろでは一般人が見物している。牧歌的でうれしい描写だ。

監督のロバート・ワイズは「ウエスト・サイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」で名高い。1940年代にはオーソン・ウェルズの最初の二作「市民ケーン」と「偉大なるアンバーソン家の人々」の編集を手がけていた。映画史的にはこちらが重要だろう。

世評の高い「市民ケーン」に対して、「偉大なるアンバーソン家の人々」はその後のウェルズの人生を象徴するかのように呪われた作品である。製作者と折り合いが悪く、原形を留めないほどカットされているという。現在残されているバージョンは、前衛的とも言えるほどストーリー展開が唐突だ。この呪いの編集にロバート・ワイズが関わっていたのである。

「地球の静止する日」のDVD版にはサンフランシスコ講和条約を報じるニュースリールが収録されている。この条約は連合国による日本の占領状態を解除するものである。ちなみに、1945年から1951年まで日本製品の原産国表示は"MIOJ (Made in Occupied Japan)"、すなわち「占領下日本製」だった。この時期に日本の占領が解除されたのも、米ソ冷戦の激化を象徴する朝鮮戦争が始まったことが契機となっていたのである。

投稿者 kmatsu : 2007年10月21日 21:09

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