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2006年11月 1日
東京 - 昭和の記憶 -
「東京 - 昭和の記憶 -」は、1970〜80年代の東京の風景とその現在の様子を見せるサイトである。モノクロの過去の風景にマウスポインタを置くと、現在の様子がカラーで現れる。
1980年代にはよく東京の街を歩き回った。自分の記憶とクロスするのは、「神田駿河台~猿楽町 女坂」、「六本木ヒルズになった町」、「神田淡路町~小川町」あたりである。
今さらながら、東京の姿がこの20〜30年の間に劇的に変わってしまったことが痛感される。とりわけ、「六本木ヒルズになった町」の変化はすさまじい。林立する高層ビルや華やかなショッピングモールに、かつて高台の下の窪地に広がっていた生活の場の痕跡はまったく見られない。古いもの好きとしては痛ましさを覚えるほどである。
もっとも、東京の風景が激しく変わるのは今に始まったことではない。成島柳北や永井荷風は、数十年の時を隔てて、江戸の情緒が失われゆくことを嘆いていた。1931年に両国で生を享けたわたしの父親も、幼少期の風景は思い出の中にしか存在しないと言っていた。
変化を嘆き古きをよろこぶのは、自分が老人の域に入っている証しにほかならない。若者は夢にあふれ、老人は思い出にあふれるという。自分に夢があふれていたかどうか定かではないが、思い出をたくさん抱えてしまったことは間違いないだろう。
そういえば、大学の卒論の取材で訪問した満州映画協会の関係者のお住まいは、昔のテレビ朝日の裏あたりにあった。「甘粕先生」(満映理事長の甘粕正彦)の思い出話を聞いたときは、歴史の文脈の中で語られる人物と接していた人が目の前にいることが不思議に思えたものである。20数年を経て、お住まいの回りは一変した。お元気でお過ごしだろうか。