2005年12月12日
ALWAYS 三丁目の夕日
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の上映が延長されたという。
http://www.always3.jp/
11月の公開前後にCFがテレビで頻繁に放映されていたが、建造途中の東京タワーというショッキングなビジュアルは、モスラに寄り添われた東京タワーの姿に匹敵するインパクトだった。
というわけで、この作品の見所は、特撮で再現された昭和30年代の東京の風景に尽きる。
無闇にすっきりしている上野駅前、服部時計店が高くそびえている銀座。建造中の東京タワーが背景に見える京浜国道とおぼしき大通りには、行き交う自動車も少ない。あたかも当時の映画のロケシーンを見るようである。
ただし、映画としてはてんでなっていない。
とつぜん見ず知らずの子供の世話をする仕儀になったというシチュエーションなら、山中貞雄の「丹下左膳余話・百万両の壺」だとか、ジョン・カサベテスの「グロリア」という名作が目白押しである。同じ土俵に並べるだけでも、巨匠たちに対して礼を失する。
だが、と再び本作を持ち上げる。捏造された昭和三十年代の風景が強烈な魅力を放っていることはまちがいない。
映画は、「メトロポリス」の昔から魅力的な未来都市を描き続けてきた。こうした映画が描いた未来が到来したはずの時期に我々は生きている。我々の眼に映じる現在の都市は、過去の映画の未来都市ほどに魅力的だろうか。
あるいは、我々は数十年後の未来の姿を、数十年前の映画のように魅力的に描くことはできるだろうか。
そのかわり、我々は数十年前の過去を描き、それに心惹かれている。
投稿者 kmatsu : 2005年12月12日 22:44
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