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2005年1月 9日

カラシニコフ

「カラシニコフ」(松本仁一著、朝日新聞社、2004) を読んだ。

朝日新聞に2004年に掲載された連載記事を書籍化している。連載中も気になっていた。

カラシニコフとは、旧ソ連で設計された自動小銃AKシリーズのことである。ソ連だけでなく旧東側諸国で生産され、世界の紛争地では必ず目にする。頑丈で故障が少ないので、アメリカ、ドイツ、ベルギーで作られた自動小銃より信頼されているという。

本書には、紛争が続くアフリカの諸国のレポートと、AKシリーズの設計者、カラシニコフ氏へのインタビューが掲げられている。

イマニュエル・ウォーラースタインが唱えるところの世界システムとは、独立した国民国家群で構成される経済・社会的なシステムである。本書は、国家として世界地図上で区分されているものの、国民国家として実質的に機能していない失敗国家の実態を報告する。そして、こうした失敗国家が、国民にどれだけ過酷な生活を強いるかが繰り返し描かれる。

アメリカ合衆国を帝国と仰ぐグローバリズムだのグローバルスタンダードは、資源産地としても市場としても価値が低く、また、テロの温床としての危険も少ない地域は、まったく相手にしていない。そんな、忘れ去られた地域の生活は、暴力と略奪と飢えにあふれ、何より、将来への希望がまったくない。

世界の夜景を示す衛星写真がある。それを人口密度に対する明るさの比で示したものが以下に掲げられている。
「街の灯」(hirax.net)

衛星写真はあたかも神の視点のようだが、地上の生活を想像してみると、なんだか切ない。

投稿者 kmatsu : 2005年1月 9日 21:18

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