2004年2月 2日
「木村伊兵衛と土門拳」展
昭和の写真家といえば、木村伊兵衛と土門拳。巨人、大鵬、卵焼きと同じくらいありきたりな組み合わせだが、最強であることは間違いない。「アサヒカメラ」でも連載記事で毎号掲載している。その二人の代表作を集めた展示である。さすがに雑誌や書物で見たことのある作品が多い。(有楽町朝日ギャラリー、3/3まで)
個人的には努力の人という印象の土門拳より、スナップの達人といわれた木村伊兵衛の洒脱さを好む。「西片町付近」や「東京・月島」など、被写体はただのつまらない街路なのに、写真の中で人々が芝居の書き割りのように見事に配置されている。
両人ともに人々の日常生活を捉えたスナップが印象的だ。もちろん、たんに古い風俗の記録というだけでなく写真としてすぐれているのだが、まず捉えられたディテールに目が奪われてしまう。都市、下町、農村、子供たち。空中写真では濾過されてしまう人間生活のディテールが記録されている。
投稿者 kmatsu : 23:38 | コメント (0) | トラックバック
2004年2月 1日
偽色によるにじみ
たまたま見つけた効果である。
上の逆光など、コントラストの高い部分が滲んでいる。
フィルターを使ったのではない。カラーをモノクロに変換するにあたって、たまたま以下のように処理した。
・「イメージ」→「色調補正」→「チャネルミキサー」
・「読み込み」で、インストールCD-ROM内の「その他ファイル」フォルダーから、
「チャネルミキサープリセット」→「Grayscale」→「Grayscale Blues.cha」を読み込む
(値は、レッド:0%、グリーン:-18%、ブルー:+118%、平行調整:-4)
モノクロに変換するにあたって、青ばかり強調したわけである。通常の3原色分割のCCDの通例で、コントラストの高い境界には青い偽色が発生するが、それが白く強調されたのだ。なかなか面白い。
投稿者 kmatsu : 23:25 | コメント (0) | トラックバック
国土画像情報(カラー空中写真)
飛行時間が短い国内航空線では、地上の風景を見るために窓側に座ることにしている。とくに、冬、空気が澄んでいるときは楽しい。ある時は三浦半島を一望できたし、またある時は居住地の周辺を確認することができた。
空から見る地上の風景は、起伏が見えないだけでなく、人間生活の生々しさが消えてしまう。都市の生成と発展をシミュレーションするSimCityというゲームがあったが、その画面を思い出す。個々の人間の営みは捨象され、都市全体が一つの生命体のように見える。この視点は、為政者というよりは神に近い。地上から数万キロメートル離れた宇宙空間ほどではないが、数キロ離れるだけで、人類を見下ろす神の視点に近づくのだろう。
国土交通省が試験的に「国土画像情報(カラー空中写真)」というウェブサイトを開設している。
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WF_AirTop.cgi?DT=n&IT=p
400dpiのデータの分解能は1メートル以上あるだろう。民家の形状も識別できる。また、収録されているデータは、1970年代から1980年代に撮影されたものである。時間を経てフィルムが褪色したせいか、それとも空気が澄んだ冬に撮影したせいか、あるいは大気のフィルターを介しているせいか、収録された地上の風景は寒々としている。
20年から30年といえば、ちょうど人間が一世代交代する期間である。そして、今にいたる30年間は、都市近郊の風景が徹底的に変わった時期とも一致する。古い空中からの眺めを見て懐旧の念に駆られるが、その頃の地上の風景を思い出そうとしても、どうしてもディテールが思い出せない。